近代化・都会化が進み、モンスターはほとんどいなくなった世界。
かつてはモンスター討伐を請け負っていた冒険者も数を減らし、免許の必要な特殊な職業になっていた。

なり手の少なくなった冒険者のイメージアップと後継確保のため、冒険者ギルド主催の体験ツアーが行われている。
旅行者2～4名に対し冒険者2名が随行、研修用ルートの一部を1泊2日で巡るツアーである。
都会を離れて非日常を体験できることから、抽選が行われるほどの人気となっている。
今朝も夜行列車で到着した旅人が2人、ギルドで受付を今すませたところ。

CD情報

タイトル　「Short Trip」

頒布価格　500円

M3-2020秋　い-14、黒-074

サークル名　Obbligato

Track List

1. 青空のもと　花咲く道を

2. きのこの森

3. 黄昏時の咆哮　　cv/ CV:遊句音源

4. 星空を枕に

5. グリフォン山

6. 日没　～旅の終わり～

1. 青空のもと　花咲く道を

出発地の村を出ると、そこは延々続く草原の道。一面に咲く黄色い花は回復薬の原料になるらしい。日頃目にすることのない世界。空も大地もなんて美しいんだろう。･･･4時間続くとさすがにちょっと飽きたけど。

2. きのこの森

森に入ると空気が変わった。少し湿り気を帯びていて、時々うっかり滑りそうになる。そこかしこに色とりどりのきのこ。残念ながら食用のものは殆どないそうだ。晩ご飯はきのこ鍋かと一瞬期待したのに。残念。

3. 黄昏時の咆哮

森を抜け、そろそろ今日の行程が終わるという時になってモンスター登場。ツアーに参加したからといって出会えるわけではないので、テンションが上がる。戦うのは冒険者の二人だけれど、見ているだけでテンションが上がる。スライムだって生で見られるなんてとてもレアなのだ。レアすぎて、許可が無いと捕まえてもいけないくらいだ。そんなだから友人と二人、はしゃぎすぎておこられる。その隙にスライムは逃げて行った。

4. 星空を枕に

日が沈むと、夥しい数の星が空に浮かんだ。よく晴れて、雨の心配はなさそうだ。寝袋に潜り込む。研修参加者になると交代で火の番をするそうだが、ツアー参加の一般人なので免除。少々申し訳ない。

5. グリフォン山

数十年前まではグリフォンが棲んでいて、冒険者研修の仕上げに協力してくれていたらしい。グリフォンの問いに答えるなんて神話の世界の話だと思っていたが、かつてはそれが実際にあったのかとぼんやり考える。ツアーでは初心者ルートを通っているはずだが、日頃の運動不足がたたっている。息が上がる。下りは膝が笑うに違いない。

6. 日没　～旅の終わり～

山を下るに従って村がだんだん近づいてくる。すぐ麓にあるその村が本日の宿。夕日を浴びて山が赤く色づいている。膝は大爆笑しているし、歩くのは既にしんどいのに、この旅がそろそろ終わるのが惜しいような気持ちになっている。明日は汽車で家に帰らないといけないのに。